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岩屋観音

岩屋観音
  • ※現在、大規模な倒木のため立ち入り禁止としています。
  • 指定区分:市指定文化財
  • 種別:史跡
  • 指定日:S49.3.8
  • 所在地:曽於市大隅町月野
岩屋観音

吉田一円の磨崖仏

岩屋観音

行仙の墓(令和2年の災害により滅失)

岩屋観音は、大隅町月野久保崎集落の奥、大鳥川に面した絶壁の岩屋の中にあります。岩屋の右脇に石には「文明十八白丙午二月 彼岸日」の刻字があり、文明18(1486)が開基年かも知れません。元々、この地には霊岩山仙遊寺という寺があったようですが、詳細は不明です。ただ、岩屋の奥には僧の墓が3基あり、少なくとも3代に渡って続いていたと考えられています。
一時廃れたようですが、元禄13(1700)年頃参籠した修行僧の行仙が、当時荒廃していた寺院を改築しました。岩屋上の岩壁には「南無正観世音菩薩 行仙書」「霊岩山仙遊寺令菓叟」の文字と、雲龍と矛が彫刻されています。岩屋の傍には「梵字(ア) 小僧都行仙」と刻された石碑がありました(令和2年6月の大雨による落石により滅失)。
その後、再び荒れますが、明治時代に吉田一円が再興します。一円は、天保14(1843)年12月4日生まれ、大阪府豊島郡池田村の出身といいます。元々は武士でしたが、若い頃素行粗暴の故か、不如意の事件があり、出家して京へ行き、比叡山延暦寺に入門、その後信州善光寺に転じ、約18年間修行、仏門に帰依し、その後再び京に戻り、東山の清水寺に行きました。そこから諸国行脚に出たといいます。そして明治27(1894)年初夏、久保崎観音堂に訪れました。一円は、この霊地を気に入り、住僧として参籠修行、堂守となり、昼は仏壇・仏像製作、夜は仏法修行に努めました。
岩屋の中の御本尊は錫杖を持った石造の十一面観音で、これは一円作といいます。ふつう錫杖を持つのは地蔵ですが、この独特な姿の十一面観音は、奈良県桜井市の長谷寺の御本尊で長谷寺型観音と称せられるもので、これは正観音と地蔵の徳を併せ持った慈悲の深さを表しているといわれています。
また岩屋の西側の一段低地の岩壁には磨崖仏があり、普賢菩薩・阿弥陀如来像・宝篋印塔・五輪塔が刻まれています。一円は、明治30年12月大晦日に、賊に襲われ不慮の死を遂げました。墓は自ら刻んだ如来像の前にあります。

令和2年6月の大雨により、壁面上部から大岩が落下、観音堂や江戸時代の石碑が被災しました。再び岩や樹木が落下する恐れがあります。大雨や強風等の天候不良時には立ち入らないでください。また、見学の際には十分にご注意ください。

※令和6年6月末の大雨の影響により大規模な倒木が発生しました。現在、参道が通行不可となっております。たいへん危険な状況ですので立ち入らないようご注意ください。

令和6年6月末被災状況(参道上に倒木)

お問い合わせ先

曽於市教育委員会 生涯学習課
〒899-8692 鹿児島県曽於市末吉町ニ之方1980番地
お問い合わせ E-mail:o-syakyou@city.soo.lg.jp
TEL:0986-76-8873 FAX:0986-36-7500

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